B-PACSBLOG2022【カーオーディオ】マルチアンプ接続って?DSPのメリット・デメリットはどうなのか

【カーオーディオ】マルチアンプ接続って?DSPのメリット・デメリットはどうなのか

2022/10/27 12:19 CATEGORY: カーオーディオ ショップ

こんにちは!京都でカーオーディオショップをしているビーパックスです。

少し前に、「バイアンプ接続」のメリットをご紹介しました。割と知名度も高まっているバイアンプ接続ですが、さらに高みを望むのであれば、間違いなく「マルチアンプ接続」が優れています。
とは言われたものの理解していないといまいちピンと来ないかと思いますので、今回は「マルチアンプ接続とは」について解説したいと思います。
ここ数年でかなり普及率を伸ばしているDSP(デジタルシグナルプロセッサ)も、「良いらしい」の情報はかなり出回っていますが、一体DSPの何が良いのか??ってところはハテナマークが浮かんでいる方も多いと思います。
『DSPを付けるとなぜ良いのか』も今回の内容に当てはまります。(マルチアンプ接続による恩恵を受けています)
※バイアンプ接続もマルチアンプ接続に該当すると思いますが、一般に広まっている呼び方なので今回はマルチ=アクティブ接続とします。

まずバイアンプ接続を見たい方はこちらから

バイアンプ接続って?メリットデメリットはどうなのか

カーオーディオにご興味を持った方や、交換してみたけどせっかくなら活かしたいと思った方がご覧いただいてるかと思います。
前回同様、なるべく分かりやすくお伝えすることを目指していますので少し違うところもあるかと思いますが、大体のイメージを掴んでつかんでいただけますと幸いです。

それでは早速始めていきましょう!
設定技術・配線技術やインストール方法などのご質問等にはお答えしかねますので予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

◆まず名称について
今回はマルチアンプ接続と題しましたが、他にも「アクティブ接続」「ネットワークモード」などの呼称があります。

ネットワークモードについては、スピーカーに付属する「ネットワーク」と混同しやすいと思いますが、あくまで”カーナビ内(のネットワーク)で処理する”という意味合いになるんだと自分は解釈しています。なので実質「マルチアンプ接続」というわけです。
今回は一括し、略して以下「マルチ接続」と呼ぶことにします。

なぜオーディオショップは接続方法を変えたりするのか

まず接続方法うんぬんの前に、「そもそもなんでこんな事してるの?」から疑問に思うかもしれません。※ご理解されている方はスルーしてください。

【すべては「ステレオ再生」のために行う】といっても過言ではありません。


◆ステレオフォニック再生とは
左右2個のマイクロフォンで収録した音を独立して伝達し、それぞれを左右2個のスピーカーで再生することです。
ステレオは「立体的」という意味で、複数のスピーカーによって立体感・臨場感が得られるように再生する方式です。逆にモノラルは「単一」という意味で、1つのマイクで録音された音、あるいは1つのスピーカーで再生する方法です。例えば、ラジオ番組を聴くとき、1つのスピーカーがついたポケットラジオなどで聴いている人はモノラル、スマホでradikoを左右のイヤホンで聴いている人はステレオになっているはずです。最近のCDや配信音楽は、ほとんどがステレオで録音されています。

なお、wikipediaの情報によると、ステレオフォニック再生は、典型的には、聴取者の水平方向前方左右30度の位置に一対のスピーカーを配して2チャンネルの音声を再生する。またモノフォニック再生に比較して、音像定位や音場感が加わり、再生音の臨場感が増す効果がある。配置は2つのスピーカと聴取者頭部が一辺3メートルの正三角形に位置する配置が最も望ましいとされており、この時の聴取者の位置のことをリスニング・ポイントまたはスイート・スポットと呼ぶ。ステレオフォニック再生で臨場感が増す理由として、人間が元々左右の耳に入る音の位相差および音量差などを利用して音源の方向を把握している点が挙げられる。

とあります。勘が鋭い方はお気づきだと思いますが、「ステレオ再生」とは左右2つのスピーカーが鳴るだけではダメで、「配置」と「視聴者」の関係が非常にシビアで大事。ただ実現すると音像が定位し臨場感まで得られるという事。
普段何気なく左右のスピーカーから当たり前のように再生していますが、活かしている事はかなり少ないです。車の場合、ただ左右のスピーカーから再生するだけでは本来の”ステレオ再生”は「感じれとていない」という事になります。

低域、中域、高域音が各場所に設置されたスピーカーからバラバラに聞え、一体感の無い音です。スピーカー交換をして音質は良くなってもしっくりこないのはこの為です。もっと掘り下げて、家と車の音響環境の違いを上記イラスト2つから比べてみます。
◆家で聴いている環境
・各スピーカーが均等に配置されている
・前方から同時に左右の耳に届く
・スピーカーは特に塞がれる事なく直接リスナーに届く
・聴く人が合わせて座れる
◆車で聴いている環境
・各スピーカーの配置はバラバラ
・各スピーカーの向きもバラバラ
・聴く人は左右均等では無い位置に座らないといけない
・スピーカーは内張りに塞がれている
・スピーカーから出た音は内装や足に当たりジグザグに跳ねて耳に届く

など、比べるとキリが無いくらいかなり滅茶苦茶な環境です。(走行音もありますヨ)

しかし「車でしか音楽を聞かない方」も圧倒的に多く、カーオーディオだから楽しみたい方も居られると思います。こんな環境でもカーオーディオは楽しく、カーオーディオならではの楽しみ方があったり良さは存分にあります。
でも、スピーカー交換を行い、せっかく「音質をグレードアップしているのに音にまとまりが無い」「グレードアップしたのになんか勿体ない!?」色々思い浮かぶと思います。
現代の力をもってしても無理なのか?…と諦めそうになりますが、いえいえ、現代の力はスゴイです。

車のような圧倒的不利な環境でもステレオ再生を体感するべく、グレードアップを行う方法はあります。
それを実現するための理想形が「マルチアンプ接続」というわけです!
後述しますが、スピーカー1つ1つ「クロスオーバー」「タイムアライメント」「レベル出力」の調整をする事でステレオ再生を体感する事が可能となります。

調律された音場に聴き慣れると、純正のバラツキのある音を聴くと気持ち悪くすら感じます。これも「音質」に直結する事ですが、「音場」はステレオ再生に必要不可欠で非常に大事です。

通常とマルチの接続の違い

「マルチアンプ接続」は1つのスピーカーに1つアンプを割り当てるように配線を接続する事を指します。通常の車両はカーナビの内蔵アンプ「フロント右側」「フロント左側」「リア右側」「リア左側」の4つのチャンネルで駆動しています。
中でも「フロント右」「フロント左」はミッドウーファー、ツィーターの2wayタイプになっている事が多く、フロントスピーカー交換をされる方の殆どがセパレートされたモデルを選びます。

するとフロントだけで左右合計4つのスピーカーとなります。ちなみに複数スピーカーを使用するメリットは以下にあります。
・高域スピーカーが高い位置に設置出来る事で「音の位置」を上げる事が出来るので聴きやすさ・臨場感が向上する
・各スピーカーが得意な周波数帯域のみ鳴らす事で余計な仕事量が減り、音質が向上する
などが該当します。3Wayが良い理由も上記の延長線上のお話になります。

接続に話を戻し、通常接続では「2Way化」をしても出力は「フロント右」「フロント左」の2ch構成のままです。多くのスピーカーキットには帯域分割(クロスオーバー)出来るユニット(パッシブクロスオーバーネットワークなど)が付属していますので、壊れる事無く音を出力する事が可能ですが、カーナビで「タイムアライメント」「レベル出力」補正する時は「フロント右」「フロント左」と片側2つのスピーカーを同時に補正をしてしまいます。

対して「マルチ接続」とはスピーカーが独立し駆動します。2wayの場合「フロント右ツィーター」「フロント右ミッドウーファー」「フロント左ツィーター」「フロント左ミッドウーファー」の接続となります。カーナビのような4chの場合、当然リアスピーカーは出力する事は出来ません。しかし、独立した調整が可能な為、よりステレオ再生を表現できる音場調整が可能となります。

ちなみに、前回紹介したバイアンプ接続はスピーカーキット付属のパッシブクロスオーバーネットワークを利用して配線のみ独立させる方法です。「マルチアンプ接続」の一般的な方法はネットワークを使用せず「帯域分割(クロスオーバー)」「位置補正(タイムアライメント)」「出力」を調整する事が出来ます。イコライザーはまた個別調整などありますが今回は一旦置いておきます。
※カーナビに「タイムアライメント」「レベル出力」など付いていればまだ良いですが、そもそも付いていないカーナビも多く存在します。

マルチアンプ接続のメリット

・ステレオ再生に限りなく近づく(定位感・音場感・臨場感を得られる)
・パワーアンプを1chずつ余すことなくパワーを使える

マルチアンプ接続のデメリット

(自分で施工、調整する場合)
・調整機能を使いこなせないとステレオ再生は実現出来ないので知識が必要
・無設定で大きな音出しをするとスピーカーが破損する

・多人数で同時に、とうよりは1人のリスナーに向けた設定に向く(致し方無いです。設定を増やす他ありません)

お店で施工・設定してもらう場合は知識が無くても問題ありませんが、自身で行う場合はハードル高めです。

マルチアンプ接続に必要な条件とは

さて、そのマルチアンプ接続に必要な条件とは、ずばり内部「DSP」機能があることです。「DSP=デジタルシグナルプロセッサ」は内部の機能であらゆる音を調整出来る機能を差します。社外のカーナビには大体DSP機能としてはついています。がしかし、全てのカーナビで「マルチ接続が出来わけではありません」。ある条件が必要となります。

・周波数特性のロー/ハイパスをフィルタ(カット)できること(バンドパスフィルタ)

カーナビの中でマルチ接続が出来る機種には基本的にはモードを切替えまたは選択しておく必要があります。DSP機能があるカーナビでマルチ接続が出来ない機種は、フィルタ機能が片方しか付いていない、などが当てはまります。

現存で存在するマルチ接続可能なカーナビは
・パイオニア/サイバーナビ
・ダイヤトーン/サウンドナビプレミシリーズ
・ケンウッド/彩速ナビMシリーズ
のみとなっています。


基本的に4chDSPとなりますので、マルチ接続の場合、フロント2Way+サブウーファーまでのシステムとなります。リアスピーカーや3Wayスピーカーを鳴らす事は出来ません。

3Wayスピーカー以上のシステムや純正ナビ、マルチシステム/ディスプレイオーディオ車には専用のDSP(通称プロセッサー)がオススメ!
もちろん専用機は費用も掛かりますが、その分調整力も幅広く詳細なコントロールが可能になります。


DSP機能付きはオススメというより「ステレオ再生」の事を考えるともはや必須です^^;

ではでは、もう少しだけ、おもな調整機能もご紹介します↓↓

マルチアンプ接続の調整項目

◆クロスオーバー
「クロスオーバー」で出来る音質調整は、ツィーターとミッドウーファーの帯域分割をデジタルで調整することができます。通常の接続の場合 ツィーターとミッドウーファーの帯域分割はパッシブクロスオーバーで行います。当然、帯域分割は固定されています。自由調整が出来る事で縦位置の定位やイコライザーのように刺さりを調整したり、1台1台車両に応じてベストな特性は異なります。クロスオーバーを変更出来るとより音質や定位を追い込む事が可能となります。

◆タイムアライメント
「タイムアライメント」はスピーカーから出力される音のタイミングを意図的にズラす事で各スピーカーの音が耳に同時に届くようにする機能です。いわゆる「定位」「音場」のステレオ再生を担うために必要です。カーオーディオならではの醍醐味機能の1つです。横位置の定位が決まります。通常接続だと、ツィーター、ミッドウーファーの取付位置が異なるにも関わらず同時に補正が掛かりベストな位置決めにはなりきれませんが、バイアンプ接続同様個別に調整が可能となるのでより狙った位置にリスニングポイントを定める事が出来ます。タイムアライメント機能が付いているユニットは増えていますが、マルチ接続だからこそ真の性能を発揮する機能と言えます。

こういった「定位」「音場」を少し掘り下げますとボーカルが目の前だったり、ダッシュボードの中央付近で歌っている「定位感(ラジオやニュースが真ん中で喋っている感覚)」が明確になり、演奏しているステージの手前・奥・幅などが分かるような「音場感(ステージング)を感じる事ができるようになります。
マルチ接続に対して通常の接続をしてタイムアライメント機能を使った場合は、ある程度の定位感や音場感を感じる事は可能ですが、ぼやっとした感じとなります。

これらは感覚なので疑似的に味わう錯覚でもありますが試聴するとステレオ再生のように調整後の方がより自然で立体的・臨場感のある音で聴く事が出来ます。

◆出力レベル
ピンポイントでスピーカー音のレベルを調整出来ます。タイムアライメント以外でも定位の移動やイコライザー以外でも音を変える事が出来ます。
うるさい音を下げる事で音のバランスを整える事が出来ます。


これらを駆使して、カーオーディオならではのステレオ再生が出来上がります。1つ良ければ…という事がなくこれらが全て綺麗に重なるピンポイントな位置が出て来ます。決まった位置を体感するとかなり「バシッ」と定位が分かります。ステレオ再生のwikiにある「スイート・スポット」と呼ばれるのも納得できるような体感です。さらに飛躍した技術が映画館の「ドルビーアトモス」は映画が始まる前に定位感や臨場感について説明がありますが、あれの音楽版です。

こういった事は現代のデジタル化が進んだ今だからこそ出来る機能ですが、その分難しく感じるかもしれません。ただ味わってみると物凄く聴き心地の良い世界でもあります。
サウンドアップやステレオ再生をするために「マルチアンプ接続」はカーオーディオならではの楽しみ方で、機材だけでなく、スピーカーの取付位置や取付方法(ピラー埋込加工やアウターバッフルなど)なんかも拘り出すとより明確なステレオ再生やスムーズな音の繋がりへと遂げていきます。

最後に、これだけ細かなリスニングポイントを決めるわけなので、当然1人に向けた特別な音場環境となります。乗員全員へ分け隔てない設定は出来ますが、今回のように解釈したステレオ再生とは言えませんのでご注意ください。
これらを踏まえより発展的なサウンドアップを目指すには機材の追加以外に「マルチ接続でステレオ再生」の体感も視野に入れてみてください。

設定技術・配線技術やインストール方法などのご質問等にはお答えしかねますので予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

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