可視光線透過率問題への取り組み

2004年8月に「可視光線透過率」を巡る問題が浮き彫りになり、透明遮熱/断熱フィルムを始めとした高機能フィルムの普及に立ちはだかる壁ができてしまったのです。ビーパックスは、カーフィルムに関する問題を解決し、カーフィルムの豊富な価値をより多くの方に知っていただくため、現在もさまざまな取り組みを行っています。

可視光線透過率問題

各団体の不透明な回答に疑問は消えず、その後ビーパックスは国土交通省、陸運局、自動車メーカー、ガラスメーカーに対して調査を続けることにしました。調査を続ける中で、可視光線透過率の問題を引き起こす原因の一つとして、「ティントメーター(可視光線透過率測定器)が統一されていない」という情報を得ました。各都道府県の陸運局で使用されているティントメーターは精度にばらつきがあり、±3%の誤差が出てしまうというのです。これでは、ある陸運局で測定した時には可視光線透過率が70%であっても、同じガラスを他の陸運局で測定した時には67%となる可能性があります。つまり、測定する場所などによって合否の結果が変わってしまうのです。ここでもう一つ問題になるのが、「誤差が発生する場合、それに対してどのように判断し処理するのか」ということが明確に定められていないことです。明確な判断基準がないために、担当者によって合否の結果が左右されている可能性があります。このような状態で、どうして正しく公平な検査ができるのでしょうか。重要な問題を放置し続けてきた自動車業界の体制に憤りを感じ、ビーパックスはこの問題に本気で取り組み始めたのです。

国政へのアプローチ:第1回 現職衆議院議員をまじえ、 「可視光線透過率問題」についての理解を深める

ビーパックスが調査中に得た情報はその都度、JCAA及びディテーリング業者に報告し、情報を共有していました。それらの情報を携えて、2006年9月、 JCAAの青木会長が当時の環境大臣・小池百合子氏を訪問し、国政へのアプローチをかけていました。様々な活動が実を結び、2007年8月31日には山際大志朗氏(自民党・衆議院議員)、鬼頭氏(自民党・政策秘書)ら現職衆議院議員をまじえての会議が実現しました。この会議には、JCAAの関西副支部長としてビーパックスも参加し、問題についての経緯や調査結果などを報告しています。

出席者:
[自民党]
山際大志朗氏(衆議院議員)、鬼頭氏(政策秘書)
[ウィンドウフィルム工業会、フィルム/ガラスメーカー]
植木氏(事務局)、福島氏(日本パーツ)、内海氏(リンテック)、浜氏(アイケーシー)、磯貝氏(アイケーシー)、横田氏(ウィンドウフィルム工業会)
[JCAA/日本自動車フィルム施行店協会]
青木氏(会長)、佐藤氏(東北支部長)、伊藤氏(関東支部長)、内田氏(中部支部長)、兼原氏(関西支部長)、國田氏、、佐々木氏、鳴海氏、阿部氏、井上(関西副支部長)
[報道]
前田氏(時報社/ガラス建装時報)、佐野氏(フィルムニュース社)
【 2007年8月31日 実施 】

国政へのアプローチ:第2回 国土交通省、自動車検査独立行政法人への問題提起

翌2008年3月にはJCAA・青木会長が当時の経済産業大臣・甘利明氏を訪問するなど啓蒙活動を続ける中、同年9月30日には、国土交通省と自動車検査独立行政法人をまじえての会議が実現し、問題に直接関係する機関へ現状報告と問題提起ができました。

出席者:
[自民党]
山際大志朗氏(衆議院議員)、鬼頭氏(政策秘書)
[国土交通省]
山田係長(自動車交通局技術安全部技術企画課)、千葉課長補佐(自動車検査独立行政法人本部業務課)
[ウィンドウフィルム工業会、フィルム/ガラスメーカー]
植木氏(事務局)、福島氏(日本パーツ)、鳥養氏(住友スリーエム)、内海氏(リンテック)、浜氏(アイケーシー)
[JCAA/日本自動車フィルム施行店協会]
青木氏(会長)、伊藤氏(関東支部長)、内田氏(中部支部長)、兼原氏(関西支部長)、佐々木氏、鳴海氏、阿部氏、井上(関西副支部長)
[報道]
鈴木氏(日刊自動車新聞社)、三橋氏(ジェムコ/カーディテイリングニュース)、前田氏(時報社/ガラス建装時報)
【 2008年9月30日 実施 】

この会議において、国土交通省と自動車検査担当官からは「測定器については指定された検査器を使うことになっているが、車検の場合、民間の修理工場で計測するケースもあり、審査によって誤差が生じる場合もある。そこで当局としては誤解を与えないよう検査方法を統一、徹底させていきたい」という見解を得ることができました。この見解は、道路運送車両法第29条を正しく運用するための大きな一歩になると確信しています。

国土交通省および自動車検査独立行政法人の見解により、ティントメーターが統一されていない事実を国政が認めたとも言えます。可視光線透過率問題に対する取り組みを始めてから4年、ようやく問題解決に向かい大きく前進しました。

今後の展望